〔 中医学における養生の目的 〕

もともと、東洋医学における養生法の目的は、病気にならないようにするためと、病後の体力回復を早めるためです。その中で、いろいろな養生法が生まれ、後世に伝えられていますが、共通するのが次の二つ。
@気持ちがいいこと(快適)
A中庸であること
中国医学の基本の考え方は、「中庸の美徳」です。これらをキーワードに、現代における養生法を考えてみましょう。

● 食事

おいしいことと、バランスをよくとることが大事。楽しくおいしいことは、消化吸収を高めます。どんな食べ物をとったらいいかは、歯の構成を考えるといいでしょう。前歯八本は野菜、犬歯四本は肉、臼歯十六本は穀類・堅果類というふうにです。この割合からいうと、肉を一口とったら、野菜を二口、穀類を四口とるといいことになります。

食べる量ですが、よくかんで食べて、もう少し食べたいな、と感じるところで止めましょう。昔は腹八分といいましたが、現代人は運動不足ですので、腹六分くらいがちょうどいいでしょう。次の食事の時間が待ち遠しいくらいに。また、食べ物は旬のものが一番おいしいということも、食べ物を選ぶときの考慮に入れておきましょう。

● 運動

何もせずにゴロゴロしているのも、急に激しい運動を行うのもよくありません。日ごろの運動不足を補うには、まず日常生活のなかで、こまめにからだを動かすこと。ウォーキング程度がよいでしょう。ただし、かかとを傷めないよう、靴選びは慎重に。つらいときには、休みましょう。

● 呼吸

腹式呼吸を心掛けましょう。ゆっくり長く吐き、苦しくなったら自然に任せて吸う、これを、一分間に三〜四回行います。腹式呼吸は副交感神経を安定させ、こころを落ち着かせます。ストレスの多い人にお勧め。

● 睡眠

睡眠も多からず、少なからずに。寝る前にぬるま湯にゆっくりとひたりましょう。腹式呼吸と同じ作用があります。血流もよくなりますので、疲労回復も。中国医学で寝るということは、からだを休ませることだけでなく、次の活動に必要なエネルギー(中医学では、これを気という)を作り、蓄え、次の活動に備えるという意味を持っているのです。

● 気持ちの持ち方

中国古代の医学書『黄帝内経』には、のんびりとして少欲、こころを安らかにして恐れず、疲れるほどには働かないことがいいと記されています。中庸ですから、うれしいときも悲しいときも、ほどほどに感じ、また、たまには感情を抑えずに思いっきり発散させるのもいいでしょう。気分転換を上手に楽しく、はかるということです。

(月刊 『 寿 』 2002年1月号掲載)


≪戻る  閉じる  次へ≫

             Flora Web Site Since 1996 フローラ薬局 All Rights Reserved. Link free
                                                            サイト内に掲載されている全ての画像の無断転載禁じます