〔 疲れ目 ― 肝と腎を健やかにし目のトラブルを解消 〕

― 血と精を十分蓄え、目に栄養を ―

目と五臓の相関図中国医学では、目は五臓それぞれと関係しており、中でも深く関わっているのが肝と腎であると考えています

目は肝に蓄えられた血の栄養により働く

中国医学には、「肝は目に穴を開く」「肝は血を受けて能く視る」「肝は血を蔵す」という経験則が。これは目が肝に蓄えられている血の栄養によって働くという意味です。

そもそも血は、全身に栄養を与え潤すと同時に精神活動を支える物質。体内に吸収された飲食物を材料にして作られ、肝にストックされます。そして肝は必要に応じて、全身の血流量をコントロール。目も肝の作用により、必要な血が供給されているのです。

血量のコントロールの乱れや血の使い過ぎで疲れ目に

したがって、肝にトラブルが起こると、目にも症状が現れます。疲れ目の背景となる肝のトラブルとして、まずあげられるのが肝気鬱結。ストレスなどにより、血量のコントロール機能が乱れ、目に十分な栄養が行き渡らない状態です。この場合、目の症状にプラスして、胸脇部がはって痛む、イライラする、ため息が多い、ゆううつ感などの症状も。また、感情の変化によって目の疲れ方が変化するという特徴も。

また、肝血虚でも疲れ目の症状が出ます。血を使い過ぎた、あるいは出血過多、血の補給不足、慢性病などで血のストックがなくなり、やはり目に栄養が行き渡らない状態です。この場合、ほかに顔色が青白い、めまいがする、耳鳴りがする、手足が震える、筋肉の痙れん、月経量が減る、または月経血の色が淡いといった症状も。

造血や血の貯留に関わる腎 衰えることで目の症状が

さて、血液は骨髄でも作られます。中国医学において、その骨髄をつかさどっているのは、腎という臓器。腎は精という、からだの基本物質を、血から転化し蓄えるという働きもします。つまり、肝に蓄えられた血が余ると精になり、血が不足すると精が血に変わるのです。また、腎は生長、発育、老化にも関与。したがって、加齢にともなって腎が衰えても、目の症状となって現れるのです。

疲れ目と関係する腎の症状としてあげられるのが、腎虚。老化により骨髄における血の製造力が不足し、さらにそれを補う精も不足している状態で、結果的に血が行き渡りません。この場合、目の症状にともなって足腰のだるさや、冷え、ほてりが起こります。

疲れ目の背景として多いのは、これまであげた肝や腎の不調ですが、脾、つまり消化器系の働きが低下しても、症状が出ます。脾胃気虚といい、飲食の不摂生、大病、考え過ぎなどで胃腸に負担がかかり、食べ物から栄養が吸収されずに血が不足して起こるのです。目の症状にあわせて、疲労感や食欲低下、息切れなどが。この場合、脾の気を補って治します。

疲れ目に対処する漢方薬例

本文を参照し、疲れ目にともなう症状で、背景となる内臓の不調を見つけてください

● 肝のトラブル
・ 肝気鬱結=(逍遥散 or 加味逍遥散)+枸杞の実+菊の花
・ 肝血虚=(四物湯 or 当帰養血膠)+枸杞の実+菊の花
※ 不眠や多夢、動悸をともなう場合は天王補心丹を足す

● 胃のトラブル
・ 腎虚
 冷えがある場合=(八味丸or海馬補腎丸)+枸杞の実+菊の花
 ほてりがある場合=菊地黄丸(六味地黄丸+枸杞の実+菊の花)
※ 肩こりがある場合は冠心U号方を足す

● 脾のトラブル
・ 脾胃気虚=補中益気湯+枸杞の実+菊の花

ブルーベリーはブルーだからいい!?

〜中国医学的に見る、ブルーベリーが目にいいワケ〜

ブルーベリーが疲れ目にいいというのは、最近よく耳にする話。ブルーベリーに含まれるアントシアニンという成分が目にいいとされています。

一方、中国医学では五臓にはそれぞれ関係する色があると考えています。そのうち、肝は青、腎は黒。つまり、ブルーベリーは青だからこそ、肝に関与し、目に働きかけると考えられるわけです。ブラックベリーも目にいいといわれていますが、腎が黒であることを考えると、納得。では、イエローベリーや、ホワイトベリーがあったら!?目には関係しないかも・・・。

(月刊 『 寿 』 2005年5月号掲載)


≪戻る  閉じる  次へ≫

             Flora Web Site Since 1996 フローラ薬局 All Rights Reserved. Link free
                                                            サイト内に掲載されている全ての画像の無断転載禁じます