〔 おなかの不調 ― 胃腸をいたわる食生活で年始を快適に 〕

生活の見直しと漢方で、痛み・胸やけも解消

● 暴飲暴食による不調は、“過剰”をとる治療を

宴会やごちそう続きの毎日で、胃腸が疲れていると感じる人も多いのでは?

食べ過ぎや消化しにくい物を食べた場合、症状としてはみぞおちの張り、痛み、胸やけや腐敗臭のあるゲップが出ます。また、痛む部位に触られたくないと感じるのも特徴。逆にいえば、このような症状が現れたら、あなたにとって食べ過ぎなのです。これ以上詰め込むのは、禁物。

また、食べ物が脂っこい物、甘い物、味の濃い物などに偏ると、からだに過剰な熱や水分がたまり、粘膜に炎症を起こしやすくなります。そのため、食事のあとに痛みがひどくなる、口が苦い、悪臭便が出る、胸やけがする、舌に黄色の苔が見られるなどの症状も。口が渇くのに水をのみたくないというのも特徴です。

こういった状態のときは、過剰にとり過ぎた食べ物をすみやかに消化し、余分な熱、水分をとる治療を行うのが基本。漢方薬で症状を改善させながら、ほどほどに食べる生活に戻しましょう。腹八分といいますが、生活の中の運動量が少ない現代では“腹六分”がちょうどいいようです。

● この季節は冷えを予防し、ストレスをためないように

寒い場所にいたり、冷たい飲食物をとっておなかを冷やしたりして、急に痛みが出ることも。近年は冬でも冷たいビールやジュースをのむため、よく見られる症状です。

ここで突然ですが、クイズです。健康志向の強い中国人が自動販売機でのみ物を買う場合、何を選ぶ?答えはジンジャーエールです。おなかを温める生姜が入っているから。しかもこれを常温に戻してのむのが中国流とか。それだけ、胃腸を冷やさないよう気を使っているのでしょう。日本人は冷やし過ぎかもしれませんね。

冷えによる不調は、何より温めること。温かいものを食べるのもいいでしょう。さて、正月休み明けの多忙な時期、ストレスによる不調もよく耳にします。みぞおちや脇腹に張った痛みがある、ガスが溜まっておならやゲップが出ると楽になる、コロコロ便と下痢を繰り返す、以上のような症状があったら、ストレスによる可能性、大。できればストレスを上手に解消したいところですが、漢方でストレスによる機能停滞を取り除くのもいい方法です。

もともと胃弱だという人、慢性胃炎といわれている人の中には、ストレスに反応し過ぎる人もいます。しょっ中、みぞおちがしくしく痛み、食事をすると楽になる、少量の食事でもおなかがすぐ張る、疲れやすくだるいといった症状もあるなど。普段は意識しなくても、ストレスを感じると、へそ周りに痛みを感じることも。この場合は、胃腸の働きをよくする漢方薬が基本です。

のむ前に二日酔い予防の漢方を

二日酔いを予防したいなら、消化を助ける焦三仙、加味平胃散に黄連解毒湯合五苓散を加えて服用を。ただし、このおクスリは尿の回数を増やすのが特徴。服用後、お酒をのみながら何度もトイレに行きたくなったときは、おクスリの効果が現れているのだと思い、尿意を我慢しないことがポイントです。

胃腸の不調に対する、タイプ別の処方例

・ 食べ過ぎによる不調=焦三仙(晶三仙)、加味平胃散
・ 食の偏り(脂肪、甘い物、味の濃い物の過剰摂取)による不調=黄連解毒湯合半夏瀉心湯
・ 冷えによる不調=安中散
・ ストレスによる不調=加味逍遥散、舒肝丸(開気丸)、四逆散合芍薬甘草湯
・ 胃弱体質による不調=香砂六君子湯(このタイプで胃下垂の人は補中益気湯、ストレスに反応し過ぎる人は小建中湯を)おなかの不調を改善する耳ツボ

お試しを!

おなかの不調を改善する耳ツボ
爪楊枝の頭などで押してみて、特に痛みを感じるところがツボです。きちんとツボに入ると、すぐに症状が緩和されるとか。試してみては?

(月刊 『 寿 』 2004年12月号掲載)


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