〔 口腔ケアと中国医学 ― 原因に応じて漢方薬で口臭を改善 〕

口臭の原因の多くは、口とつながっている脾胃、つまり消火器系のトラブルにあります。この部位が炎症を起こし、熱を持っているために、においを発すると考えられるわけです。熱があるときには乾燥するもの。のどが渇き、冷たい水をのみたいときは、体内に熱がある、すなわち炎症が強いときで、口臭が強いものです。この状態を、中国医学では実熱といいます。

反対に、口は乾くものの水分はそんなにいらないというときもあります。これは、単に体内が乾燥していて熱感を覚えているだけなので、炎症はひどくありません。この状態を虚熱といいます。しかし、このときも、口臭がする場合があります。ですから、口臭を改善するポイントは、熱の状態を見極めることが第一です。また、食べたものがなかなか消化されずに胃の中にあれば、これも口臭の原因となります。

もちろん、口の中は常にきれいにしておきたいもの。それぞれ見ていきましょう。

● 脾胃に問題がある場合

虚熱タイプ

a:慢性歯周炎(歯槽膿漏)などがこのタイプ。痛みや腫れなど、炎症の症状はひどくないものの、慢性に経過してなかなか治らない。膿が出て口臭がある。再発して繰り返す。また、高齢者では唾液が不足しているため、細菌が繁殖し口臭の原因となる。
→ 甘露飲

b:aのケースで化膿がない
→ 滋陰降下湯、知柏地黄丸

実熱タイプ

「脾胃積熱」

A:熱のためにのどが乾く、冷たいものが欲しくなる、舌が赤い、舌苔が黄色い、口の中が苦い、口内炎があるという状態
→ 白虎加人参湯

B:Aに加え焦燥感、不眠がある
→ 黄連解毒湯

C:Aに加え便秘がある
→ 三黄瀉心湯

D:Aに加えてイライラ、怒りっぽい、ストレスがある
→ 竜胆瀉肝湯、柴胡加竜骨牡蠣湯、加味逍遙散
(Dの処方は、ストレスが強い人の、日ごろの口臭予防としても使える)

「食滞」

ア:実熱の中でも消化不良タイプ。暴飲暴食により、なかなか消化されなくて口臭が起こる。日ごろから胃腸の弱い人にもみられる。舌苔が厚い、胃のもたれやゲップ、酸臭がみられる。
→ 平胃散、三仙茶

イ:アに加え、日ごろから胃が弱い
→ 補中益気湯と六君子湯を半量ずつ(アの処方との併用もよい)

● 口内がきれいではないタイプ

食後の歯磨き、口すすぎが基本

・歯茎の血行改善
→ 田七人参配合の歯磨き剤
・口すすぎ、口内の殺菌
→ 緑茶
・特に口臭を改善 → 丁香(消臭)をかむ。芳香性のある香?や?香、佩蘭などを5グラムとって5分ほど煎じ、口をすすぐ

(月刊 『 寿 』 2004年6月号掲載)


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