〔 便秘対策 ― 体質を見極め、漢方薬で改善! 〕

便秘に下痢という対症療法は、急性期の一時的な方法にしか過ぎません。まずは食事や運動で排便のリズムを整え、その後に体質を改善する根本治療を。

● 体質の治療法

体質に応じた治療法を見ていきましょう。処方は、下図を参照してください。

・熱秘

便が乾燥して硬いタイプの便秘。暑がりで顔が赤い、口臭がある、尿の色は黄色という症状も。一般的に、体力旺盛で、日ごろから酒や濃厚な食べ物、香辛料を好む人に多く見られる。カロリー過多となり、からだに熱を帯びた状態。日常の養生としては、カロリーの高いもの、からいもの、獣肉類の摂取を減らし、和食を中心に。

・気秘

便意があってもすっきり出ない便秘。コロコロ便や細い便が出て残便感がある。脇腹が痛んでおなかが張る、ゲップやおならが多い、精神不安がある。これらはストレス性やけいれん性の便秘によく見られる症状。腸の緊張をとり、精神的にもリラックスして、スムーズに働くようにして治す。日ごろからこまめに休憩をとって気分転換を図ること。ジャスミンティーや菊花茶など香りのあるお茶や、青ジソやセロリなどの香り野菜もリラックスしやすいもの。イライラしやすい人は、ニンニクや唐がらし、こしょうなど、熱性のものは控えめに。

・虚秘

これは、さらに三つに分けることが。

@気虚タイプ

数日間、排便がないのに、腹部に苦痛を感じないタイプ。排出はいきまないと出ず、出たあとに疲れを感じる。日ごろから疲れやすく、腹筋に力がない。便は排出しにくいだけで、硬くなく、軟らかいことも多い。経産婦や高齢者、内臓下垂の人によく見られる。日ごろから胃腸に負担をかけないで、元気になるような心掛けを。冷えたものは胃腸の働きを低下させるため、食事は穀類と温野菜を中心に。ショウガやネギ、ニンニク、タマネギ、香辛料など、からだを温めて食欲を増進するものを、多く取り入れること。暴飲暴食はせず、腹八分に。運動は疲れない程度に少しずつ行うこと。

A血虚タイプ

貧血傾向の人に見られる便秘。からだを潤す血液や体液が不足しているため、消化管内を潤すことができず、便が腸内に停滞したことによる。顔色に艶がない、めまいや動悸、立ちくらみなどの症状も。血液や体液を増やし、消化管内を潤すことで、排便を促す治療を。食事は、肉類や緑黄色野菜をしっかりとり、血を増やすにようにすること。夜更かしは体力を消耗するので注意を。

B陰虚タイプ

高齢者や病後の人に見られる、便が硬い便秘。体液が不足することで、からだを冷ますことができず、からだが熱を帯びた状態となる。口渇、手足のほてり、寝汗などの、乾燥と熱の症状をともなうことも。日常生活では、汗のかき過ぎに注意。からいものやお酒ののみ過ぎなども禁物。野菜や果物、薬草茶から水分の補給を。単なる水分の補給ではなく、体液補充に。

・冷秘

虚弱な高齢者に見られる便秘。冷えにより大腸の働きが悪くなることと、頻尿により体液が不足することにより、大便に潤いがなくなって起こる。大便がなかなか出ないほか、四肢の冷え、寒がり、夜間多尿などの症状が。下半身を温めて治療する。食事は火を通したものを食べる。夜間多尿の症状が改善するに従い、便通もよくなっていく。

● 排便をうながすには

このほか、どうしても便が出ないときには、麻子仁丸や大黄甘草湯などの下剤を上手に併用しましょう。また、決明子を煎じてのむのもいい方法です。麦茶のようでのみやすいもの。ハトムギを入れると、さらにいいでしょう。ちなみに、便秘というと食物せんいが注目されますが、気虚や冷秘の人は、量を少なめにしたほうがいいこともあります。

(月刊 『 寿 』 2004年2月号掲載)


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