〔 風邪退治法 ― タイプに分け治療法を選択 〕

中国医学では、風邪を三つの色に分け、漢方薬を選択します。症状にあった治療が肝心なのです。

風邪ぐらいと思って、油断してはいませんか。初期に適切な治療をしていたかどうかで、その後の治り方がずいぶん違います。今回は、風邪の初期における即効療法をご紹介しましょう。特に、家族の健康管理を一手に引き受けているお母さんに知って欲しい知識です。ご一読後、必要と思われるおクスリを、家庭に常備しておくようにしましょう。

● 風邪のタイプ

風邪といっても、症状はさまざまです。風邪のタイプを知るには、まず最初の症状をチェックすることが、おクスリ選びの際のポイントとなります。症状は何でしょうか。

(1)寒けがする。
(2)熱っぽくのどが痛む
(3)吐き気、下痢がある

もちろん、いずれもからだのだるさを訴えると思いますが、それにプラスして、この三つのどれか、もしくは混合型が、初期症状として現れてきます。次に症状をタイプ別に見ていきましょう。

(1)寒けがする

これは、「青い風邪」と呼ばれるもの。悪寒や冷えを感じるのが大きな特徴です。冷えはからだと収縮させる作用があるので、筋肉痛などの痛みが起こります。この場合、鼻水や痰は白く透明です。治療は、からだを温めて発汗させることがポイント。食事の中にねぎや生姜、香辛料をうまく取り入れてください。卵酒もいいでしょう。脱水症状を避けるために、温かいもので水分補給を。お風呂は入ってもOKですが、湯冷めには要注意です。

(2)熱っぽくのどが痛む

いわゆる「赤い風邪」です。体内に熱がこもって起こるもので、発熱、のどの痛み、口の渇きが見られます。鼻水や痰の色は黄色でネバネバ。子供では、お母さんに抱かれるのを嫌がるのも特徴です。治療は、からだを冷やして体内にたまった熱を取り除くことに中心をおきます。脱水症状を防ぐために、果物やスポーツ飲料での水分補給を忘れずに。刺激物や香辛料は、食べるのを控えてください。アイスクリームは、栄養もあるのでOKです。

(3)吐き気、下痢がある

これは、「黄色い風邪」と呼ばれるもので、胃腸にきた風邪。湿気の多い季節やその後など、汗を十分にかかなかったために、体内、特に胃腸に水分がたまり、吐き気や下痢となって現れたものです。この風邪の場合、腹痛や食欲不振なども見られます。また青い風邪や赤い風邪と一緒に起こることも。治療は、体内の余分な水分を取り除き、胃腸を整えるようにすることがポイント。そのため、塩分を控えめにしましょう。食べ物は胃に負担をかけないよう、消化のよいものを少量ずつとってください。

● 風邪の予防

子供や高齢者、慢性疾患を抱えていらっしゃる方には、風邪の予防がとても大事。漢方薬で予防を心掛けたいものです。風邪を引いてはいけない人のために作られた漢方薬といえば、玉べい風散。黄耆、白朮、防風の三味で成り立つ、すぐれものです。十二月くらいからのんでおきましょう。最近は顆粒状になったものも発売されていて便利です。また、中国で風邪といえば板藍根。抗菌、抗ウイルス作用にすぐれています。風邪が流行すると病院や学校で煎じて服用されるほど。そのため、中国では学級閉鎖がないという話も聞きます。インフルエンザや話題のSARSの処方にも用いられている生薬です。

(月刊 『 寿 』 2003年12月号掲載)


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