〔 食生活を改善し、心の養生を 〕

動悸や息切れは、日常生活の中でよくみられます。老化や運動不足で起こるものです。もちろん、なかには病気が原因で起こる場合もありますので、注意が必要。病気のときのキーワードは「急」です。今までなかったことが急に起こるようになったら、必ず医師の診断を受けましょう。ここでは、日常生活の中でできる予防法・養生法を―。

@ 心は血脈を主る

動悸や息切れを考えるときにまず大事なことは、心臓の状態を安定させることです。中国医学では、「心は血脈を主る」といい、心は脈管の中で血液をめぐらせる働きがあると考えています。この働きがスムーズにおこなわれることこそ、重要なのです。中国古代の医学書、『素問』の中には、次のようなことが書かれています。

「鹹味のものを多食すると、大骨は損なわれ、肌肉は萎縮し、心の働きが抑鬱される」
「鹹味のものを多食すると、脈管の中の血がスムーズに流れず、滞るようになり色も変化するようになる」

鹹味、つまり塩辛い味のとり過ぎは、心臓に負担をかけることを意味しています。心=苦、肺=辛、脾=甘、肝=酸、腎=鹹というように、味と内臓には相性があるというのが、中国医学の考えです。心は苦と相性がよく、鹹に抑制されます。飲食にあたっては、鹹味の過剰摂取が心臓に負担をかけることを考慮し、注意が必要です。味からみた食事のバランスも重要であるということを教えています。

A 暴飲を避ける

古代の養生家は、のどが乾いて水分を補給するときは、ゆっくりととるようにすすめています。大量の水を一気にのむことは、血容量を急激に増加させ、心臓に負担をかけやすくなるからです。一回にのむ合計量は五百ミリリットルを越えないよう、そして少しずつ回数を多くして。

B 刺激物の過剰摂取を避ける

タバコはやめること。本来、タバコは一服するといいます。このことからも、一度に一〜ニ回吸ってやめるということが、おいしいと感じ、からだのためには無理のない吸い方。タバコ一本を五等分に切り、それを一日で服用するくらいが、よい方法です。ただし、これは健康な人がすること。循環器系や呼吸器系にトラブルを抱えている人にはすすめられません。ニコチンや一酸化炭素が、悪さをするからです。

お酒は、少量ならOK。ただし、これもゆっくりと。大量の濃いお茶やコーヒーも避けましょう。ただし、適量なら気分転換になるので、そこはよく考えてください。

C 肥満を防ぐ

肥満の判断基準は、次ページの通りです。また、体脂肪計を使用し、体脂肪率を測りましょう。一日の一定時間に測るのがコツ。男性ではニ五パーセント以上、女性で三○パーセント以上を肥満とします。BMIが正常でも、体脂肪率に異常がみられるかくれ肥満もいますよ。また、立ったままおへその位置で、ウエストを測りましょう。男性で八十五センチ以上、女性で九十センチ以上は要注意。

自分の程度が分かったら、次に一日に摂取する適正エネルギーを見つけます。身長(メートル)の二乗×二十二×身体活動量で出た数値が、その人が一日に摂取する適正エネルギー量。身体活動量は、軽労働の場合二十五〜三十、重労働の場合三十〜三十五と計算してみてください。肥満だったり、過剰にエネルギーを摂取していた場合は、ウォーキングなどの運動を。

すでに動悸・息切れの症状があるときは、心電図をとりましょう。最近は、持ち運びできる小型心電図計も市販されていますのでおクスリ屋さんにご相談を。症状があっても、心電図に異常が表れないという場合もあります。そんなときには、腹式呼吸を心掛けましょう。

(月刊 『 寿 』 2003年7月号掲載)


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