〔 美しい肌は、元気なからだから! 〕

シミの中でもよく見られるのが、加齢にともなって現れてくる「老人性色素斑」です。褐色の丸い色素斑で、顔、手の甲、腕など日光にさらされることの多い部位によくできます。紫外線に当たることが発症の原因で、若い人にも見られ、シミやソバカスの治療を目的に医療機関を訪れる人の大部分がこれと診断されるくらい、一般的な症状だそうです。

今回は、そんな老人性色素斑の対策を中心に―。

● シミ対策の三原則

シミの原因は、簡単にいうと次の二つが挙げられます。一つは、老化。老化が進んで新陳代謝が遅くなった結果、紫外線から細胞を守るために作られた、メラニンを含む表皮細胞がからだに長くとどまり、皮膚全体がくすんで見えるようになるのです。

もう一つは、紫外線。紫外線の影響により多量のメラニンが作られ、細胞に蓄積されてシミになるというわけです。以上のことから、シミ対策としては、元気なからだを作って老化を遅らせること、紫外線を避けること、そしてからだに残された色素沈着を取り除くことの三点にしぼられます。

● からだの内側から改善を

「皮膚は内臓の鏡」といわれているように、内臓の状態は皮膚に反映します。中国医学では、皮膚=肺=白、老化・ホルモン系=腎=黒と関連づけて考え、皮膚の美容に適する食事や漢方薬の選択に際し、考慮に入れています。例えば、中国でシミによく使われる基本処方には、次のようなものがあります。黄耆、白朮、白扁豆、よく苡仁、白芍薬、白茯苓、白蘚皮、白しつ藜、白し、白菊花、丹参、当帰。このうち黄耆、丹参、当帰以外は白色です。白と皮膚の関連の例と見ることができますね。これらの生薬は、中国の化粧品の中に配合されています。

一方、丹参、当帰は、血の流れをよくする作用があり、色素沈着の改善に働きます。シミの黒さは、血行障害によって起こるものです。血行障害を、中国医学ではお血と呼んでいます。このお血があって血液の流れが悪かったり血液自体がドロドロの状態であると、メラニンが体外にうまく排泄されません。このような人は、女性では月経痛が強かったり、子宮筋腫や子宮内膜症があったり、月経不順であったり、月経の前になると気分がイライラしてヒステリーを起こしたり、乳房がしこって痛むなどの症状が。もし、シミが額やこめかみ、額の毛の生え際、眉間、目の下、頬などにあったら、婦人病と関係するお血と考えてください。場合によっては、婦人科の検診を受けることが必要です。

血行をよくするには、日ごろからからだを動かす、イライラしないようにする、十分な睡眠をとるなどの心掛けを。食事では、アジ、イワシ、サバ、サンマといったような背の青い魚、また香りの強い野菜や果物などをとるようにします。タバコはよくありません。成分が血液の流れを悪くするからです。タバコを吸っている人で肌のきれいな人がいないのは、そのため。

先に、老化は腎や黒と関連すると述べましたが、老化防止には腎を強化する食べ物が役立ち、そういったものは黒くネバネバ、ヌルヌルしたものから選択するといいでしょう。海草や黒キクラゲ、黒豆などです。旬のものを選ぶこともお忘れなく。人間には若さを保つ「精」というパワー物質が腎に蓄えられており、これの不足がからだに老化となって現れてくるのです。

● 紫外線を避ける工夫を

紫外線を過剰に浴びないことも大事です。女性のからだは、三十五歳を過ぎると老化しやすくなりますので、特に注意が必要です。紫外線により体内の活性酸素が増加することは、メラニン色素の合成を過剰にするため、当然シミが増えます。まず、日焼けは避けること。紫外線予防のクリームを上手に用いましょう。成分によっては皮膚に合わないこともあるので、まずはサンプルで試してからお使いください。

ちなみに、シミの中にはレーザー治療により改善されるものもあります。ただし、多くは自由診療。医療機関によって異なりますが、一センチ程度のシミで一万円が目安です。

(月刊 『 寿 』 2003年6月号掲載)


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