〔 快適な眠りをもたらす生活の知恵 〕

睡眠は、人間が生きるために必要であることは、いうまでもありません。疲労回復、大脳の保護、免疫の増強、発育の促進、美容効果などに、睡眠が必要なのです。

● 生活リズムと環境を整える

現代社会では、うまく睡眠を取らないと、快適に過ごせませんので、生活全般を見直す必要があります。まず、規則正しい生活を送ることが大切。休日であっても、就寝時間と睡眠時間は、毎日同じようにすること。そのためにも、昼寝は十五〜三十分程度に。そして、起床後は必ず太陽の光を浴びてください。人間のからだは、二十五時間にセットされているといわれますが、これが光によって二十四時間に修正されます。昔から「早起きは三文の得」といわれるのは、からだのリズムを自然界のリズムに合わせることで、健康状態を保てるという意味でしょう。

ちなみに、中国では東に頭を向けて寝ることを奨励していますが、それも同様の理由と思われます。また、眠気を促すような環境づくりをすることも大切。寝室は、薄暗く静かな環境にしましょう。室温は二十度程度に。人間のからだは、暑過ぎても寒過ぎても、十分な睡眠がとれないからです。就寝前に強い光を浴びることも、睡眠の妨げに。眠気を誘発するメラトニンの分泌を抑えてしまうからです。不眠で悩む人は、寝る一時間前には、部屋を薄暗くしましょう。したがって、寝る前のテレビゲームやパソコン等はよくありません。

● 心を安らかに保つ

寝る前には、難しいことや悩みごとを考えないようにしましょう。興奮することもよくありません。中国医学では、「寝るときにはまず心を眠らせ、その後に目を眠らせる」といっています。そのためには、腹式呼吸が有効。長く息を吐き、苦しくなったら自然に任せて息を吸う。これを繰り返すことで、心が落ち着いてきます。寝る前に行いましょう。

ハーブティーも、心を落ち着けるにはいいでしょう。イライラ気分のタイプには、ジャスミンティーやシベリア人参(五加参)、菊花茶。眠りが浅い人にはナツメ茶を。蜂蜜や温めた牛乳もいいですね。摂取した水分のうち、不必要なものは一時間くらいで体外に排出されますので、就寝一時間前にのみましょう。

● 飲食物を吟味

アルコールは、寝付きやすくなりますが、睡眠の質にはよくありません。よく、睡眠薬より安全だといって寝酒をのむ人がいますが、しだいに量が増え、逆にからだを悪くします。睡眠薬との併用もいけません。カフェインの入ったお茶やコーヒーも、夕食後はとらないようにしましょう。タバコもよくありません。夜七時以降に吸うのをやめましょう。

食事としては、空腹や満腹、どちらも睡眠の妨げになります。寝る三時間前に食事をとるように。翌日の朝食時に、空腹を感じるような量がよいでしょう。睡眠をよくするものに、トリプトファンがあります。小麦やゴマ、豆、チーズ、牛乳などに含まれているものです。反対に、からだを興奮させる作用のあるものは、辛い食べ物。夜はあまり食べないようにしたいですね。

女性のヒステリーや不眠によく処方される甘麦大棗湯は、ナツメや小麦に、からだの調和をはかる甘草を配合したもので、お茶としても服用できます。夜中、睡眠の途中で目が覚めてしまう人にお勧めです。

(月刊 『 寿 』 2003年3月号掲載)


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