〔 関節痛を寄せつけない生活を工夫 〕

肥満、運動不足、姿勢の悪さ、老化、虚弱体質などなど。これらは、筋肉、靱帯、軟骨、骨などに影響を与え、関節痛を起こす原因となってきます。日常の生活を見直し、関節痛を予防しましょう。

● 急性か慢性かで治療を選択

まず、関節が痛む場合。急性で熱を持っているときには冷やしましょう。冷湿布です。私は、漢方生薬のキハダとクチナシの粉末を、酢(なければ水でもよい)で溶かし、ペースト状にして塗ってもらいます。こうすることで、冷やす力が高まり、効果的です。乾いたら取り替えましょう。冷たいと感じる時間が長くなってきた、つまり腫れが引いてきたら、症状が改善してきた証拠です。

慢性の場合には、反対に患部を温めて血行をよくする方法を用います。温湿布はもちろん、お風呂やお灸でもOK。お風呂の湯温は三十八〜四十度くらいで気持ちよい程度に。お湯につかりつつ、痛むところを、ゆっくりほぐしてください。これももちろん、気持ちのよい程度の刺激で。

お灸は、自己流でもかまいません。いろいろなものが市販されていますので、痛いところへ、直接灸でも間接灸でもいいので置きます。熱さが表面だけではなく、からだの中に入っていく感じが得られたら、それが、からだの要求しているツボ。一ミリ程度のずれでも刺激の度合いが変わってきますから注意してください。何度か行ううちに慣れてきます。

● 筋肉強化で関節の負担軽減

関節部位の周辺の筋肉などを強化して、関節への負担を少なくすることも大切です。誰もが無理なくできるのは、ウォーキング。からだ中の筋肉が使われ、さらに、筋肉の刺激で血行がよくなり、症状が改善されやすくなります。

さて、中国のサーカスの人たちは、練習中にからだを傷めることが多いそうですが、終了後のマッサージを怠らず、さらに日ごろから血行をよくする漢方薬を服用しているそうです。私たちも、スポーツの前後の体操を忘れず、痛みが起こらないようにしたいですね。無理は禁物と心掛けましょう。

● 食事のとり方に注意を

中国には「同物同治」という考え方があります。これを応用しましょう。関節部位は筋肉、靱帯、軟骨、骨などで構成されていますから、動物の同じ部位をとり入れればよいのです。例えば鶏、魚、牛、豚などの軟骨やヒレ、骨、腱、内臓、皮など。骨のついた肉類をじっくり煮込んで食べるとよいでしょう。

また、中医学では、人間のからだを五つに分類しています。骨=腎、筋・腱=肝、肉=脾というようにです。このことから、骨には腎を養う食べ物がよいことになります。腎によい食べ物とは、色が黒くてネバネバしていて、塩辛いもの。ただし、とり過ぎはよくありません。動植物をバランスよくとりましょう。

また先の分類によると、筋・腱には肝を養うものがよいことになります。肝にいいのは、酸味のあるもの。日本には、海産物を酢で食べる知恵があります。この組み合わせは、骨・筋・腱に役立つことに。これらの考えを応用すると、スポーツなど、肉体や関節に負担をかけるときに、何を食したらよいのか分かります。

まず、主食はおにぎり。米は甘く、甘味は筋肉の疲労回復に役立ちます。もちろん中身は梅干し。酸味と鹹味があります。外側にはのり。色は黒ですね。おいしくからだによいものを選んで毎日の食に取り入れましょう。どうしても無理だという人は、漢方薬に合わせてグルコサミンやコンドロイチン、鮫軟骨などの併用を。

(月刊 『 寿 』 2003年2月号掲載)


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