〔 日ごろからの養生を大事にしよう! 〕

老化した卵巣から女性ホルモンの分泌が減少、一方で反応の鈍くなった卵巣を何とかしようとがんばる脳―。これらのアンバランスが自律神経にもおよび、さまざまな症状となって現れるのが更年期障害です。更年期対策には、若いころからの気配りがとても大事。以下、どのように迎えたらいいのか、またその時期をどのように過ごせばいいのか、見ていきましょう。

● 自分の状態を客観的に把握

女性は七の倍数でからだの変化が起きるといいます。例えば七×ニ=十四で初潮といったように。そうなると閉経は七×七=四十九で、四十九歳前後ということに。しかし実際には、三十五歳ごろから卵巣の機能低下、骨量の減少が見られてきます。そこで、更年期対策には、若いときからの養生がとても大事になるのです。そして、いざ更年期になったとき、今度は自分のために生きる時期です。いかにしたら、快適な生活を送れるか、考えてみましょう。

まず、自分の状況をしっかりと把握することが大事です。何か症状があった場合、年齢からいって更年期障害かと思っていても、他の病気である可能性もあります。必ず産婦人科を受診しましょう。その上で、更年期障害と診断されたら、よくその病気を理解してください。更年期に関する本がたくさん出版されています。病気を理解する前向きな姿勢があれば、不安は少なくなり、治療もしやすくなるわけです。

治療としては、更年期障害がホルモン分泌の不足により起こることから、最近ではHRT(ホルモン補充療法)が注目されています。しかし、誰にでもいいというわけではなく、乳がんや子宮体がんの既往歴のある人や肝臓が悪い人、子宮内膜症や子宮筋腫のある人、女性ホルモンの影響で起こる病気、例えば血栓症や高血圧などが心配な人は注意が必要です。

また、HRTはホルモン不足による症状にはよくても、自律神経系からくる症状については効果が弱いといわれています。こんなときには、漢方薬を上手に利用しましょう。ホルモンの調節と自律神経の安定、両方に活躍します。漢方にくわしい病院やおクスリ屋さんでご相談を。きっとあなたにぴったりの漢方薬を選んでくれるはずです。

● 生活上の注意点

食事の面では、和食を心掛けてください。閉経すると動脈硬化やコレステロールが見られやすくなることから、和食が望まれます。中でも、カルシウムの多い物、大豆製品は多めにとりましょう。カルシウムは、骨粗しょう症予防のために、若いうちからとっておいてください。また大豆には天然の女性ホルモンがたくさん含まれています。欧米人に比べて、日本人は更年期の症状が少ないそうですが、それは日本人が大豆食品を多くとっているからだとか。

中国医学では、ホルモンと関係があるのは、“腎”だとしています。ここに含まれる腎精から、エネルギーが生まれ、またホルモンも作られるのです。“腎”を養う食べ物としては、色が黒い、ネバネバ、ぬるぬるがキーワード。山芋や黒胡麻、海草や納豆などがいいですね。そして、血液をさらさらにする青い背の魚を、季節に応じてとりましょう。毎日とってください。適度な運動も大事。特にウォーキングがいいでしょう。からだを動かすことは血行をよくして筋力をつけ、骨の強化にもなります。ストレス解消にもなりますので、無理をしない程度に、毎日歩くことがお勧めです。

● 排卵期には夫婦生活を持つ

これが、意外と難しい。男性の立場に立っていいわけしますが、強制されるとうまくいかないことが多いのです。途中で元気がなくなってしまいます。このほか、残業で夜遅くに疲れて帰り、それどころではないとか、泊まりがけで出張が入ってしまった(まさか一緒に行くわけにはいきませんね!?)とか、急なのみ会で酔っぱらって帰ってきたとか。うまくいかないと、一か月遅れますので、十分に気をつけたいですね。

不妊の治療で難しいのは、お互いがマンネリ化しているということもあります。これでは意欲がわきません。肌と肌の触れ合いは、いうまでもなく、心と心の触れ合いでもあるのです。この機会に、もう一度お互いを見直してみましょう。恋人気分で口説いてみるのも、いいかもしれません。

● 前向きな心で

あれだけがんばったのに、生理が来てしまったー。がっかりしますね。長い間、不妊で悩んでいた人が、ニ〜三か月で妊娠したら、逆に怖いものがあります。というのも、妊娠しにくい人というのは、妊娠=出産とならない場合があるからです。時間をかけて、妊娠に耐えられるようなからだ作りをしましょう。友達が半年で妊娠したら、私はその倍をかけて、じっくりとからだを整え、元気な子供を産むのだ、というつもりで。

● 災い転じて福となす

人間のからだが、毎日、健康な状態を保っているわけではありません。ショックなことが起きることもあるでしょう。悲しいことも。つらいときは、大声を出して泣きましょう。戦争時や貧しい時代には、母親の本能からか、子孫繁栄の危機にさられたとき、栄養が足りなくとも多くの人が妊娠していました。もしかしたら、平和な今の時代だから、妊娠しにくいからだになっているのかもしれません。ところが、大きなトラブルが続いた人ほど、妊娠しやすくなっているのです。「本気で傷つく」→「転んでもただでは起きない」→「災い転じて福となす」の図式が成り立つと、前向きに考えては?つらいときは、チャンスなのです。

(月刊 『 寿 』 2002年12月号掲載)


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