〔 気の流れをスムーズにする養生法 〕

女性の多くは、月経前になると不快な症状に悩まされます。イライラや落ち込み、注意力の散漫などの精神面、頭痛や乳房の痛み、むくみなどの肉体面の両方に見られることが多く、特に精神面に強く現れると、本人はつらく感じるようです。これを、月経前症候群と呼びます。

● 基礎体温を測ろう!

月経前症候群(PMS)は、月経が始まると同時に、症状が楽になるのが特徴です。女性の社会進出とともに、これらの症状が、自分だけでなく対人関係までに悪影響を及ぼしてしまうのが問題に。自分に現在、起きている症状が、PMSによるものかどうかは、基礎体温を測ってみると分かります。基礎体温表を作ることは、PMSの診断だけでなく、不妊症の治療にも参考になり、女性の健康管理に役立つもの。日ごろから記入するよう、お勧めしたい方法です。

PMSの症状が多く現れる時期は、次の四つに分けられます。
@ 月経一週間前から始まり、月経が始まるにしたがい消失する。
A 排卵直後から始まり、月経が始まるにしたがって消失する。
B 排卵の前後にも症状が見られる。
C 月経終了まで症状が持続する。

基礎体温を記入するときは、一緒にPMSと思われる症状も記入しておきましょう。これを三期くらい続けると、だいたい分かります。もし、PMSの現れやすい時期と、症状が一致しなければ、PMSではなく、他の病気ということも考えられますので、早めに医師の診断を受けることが大切です。

● PMSに左右されない生活

PMSが排卵期から月経期の間に起こることから、中医学では、「気」の流れが滞ったために、それが精神的・肉体的に表れたものと考えます。「気」は、排卵をスムーズに行い、高温期を持続させ、月経をすみやかに促す働きを担当するからです。これを中医学では、肝気鬱結と呼んでいます。治療方法としては、滞った気をスムーズに流すことを考えればよいわけですから、それに合う漢方薬を選べばよいのです。養生法としては、気の流れをスムーズにするために、からだを動かす、発散させるという方法がとられます。

生活面では、運動をすること。体内の循環がよくなり、気がめぐるようになります。ただし、体調に合わせて。日ごろ、あまりからだを動かさない人は、ウォーキング程度でいいでしょう。イライラしているときに三十分も歩けば、快適な汗とともに、気分もすっきり。ときには、カラオケで思いっきり声を出すのもいい方法。音程を気にせず、大きな声を出してください。これもスッキリします。

入浴は、夜はぬるめ、朝は熱めの温度で。入浴剤は、柑橘系のものがお勧めです。また、自律神経の安定に役立つのが「呼吸」。体内の気の出入りを調節し、気の滞りの改善に役立ちます。ゆっくり吐いて(呼)、苦しくなったら自然に任せて息を吸う(吸)。これを、一度に五回程度、一日にニ〜三回行います。食事の面では、香りのあるものを中心に、適量とってください。お茶ならジャスミンティー、紫蘇の葉、菊花など。気を巡らせ、脳の働きを活発にしたり、気持ちをリラックスさせる作用があります。

さて、精神面では、あまり根を詰めず、自分のペースを保つことが大事。ものごとは適度に。中庸を心掛けましょう。今、日本で注目を浴びている不妊症治療のための周期療法は、女性の生理を月経期・卵胞期・排卵期・黄体期の四つに分け、各期間ごとに漢方薬を使い分ける方法で、成果を上げています。女性は「子宮でものごとを考える」と昔からいわれますが、子宮の調節、つまり月経周期の調節が、精神面においても有効であると思われます。

(月刊 『 寿 』 2002年10月号掲載)


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