〔 「肝」を養う日常の注意点 〕

肝臓の病気は、症状がなかなか表面に出にくいため、少なくとも一年に一度は、肝機能検査を受けましょう。住民健診、職場健診、人間ドックなどで受けられます。肝臓に不安のある人、治療中の人は、進行させないため、代表的な養生について次にあげておきましたので、ご参考に。

● たんぱく質の摂取

たんぱく質は、肝細胞の修復や肝臓内で新陳代謝を営む酵素の原料となりますので、肝臓には必要な栄養素です。たんぱく質をとる上で気をつけたいのは、量よりも質。からだを構成するために欠かせない必須アミノ酸を、豊富に含んだ良質のものをとりましょう。脂肪の少ない部位の牛肉や豚肉、鶏肉、卵。植物性のものでは、大豆加工品などです。パンよりはご飯と、これに合うおかずを。忙しくて偏食しがちな現代人は、おクスリ屋さんで良質のたんぱく質配合剤をお選びください。人胎盤エキス、魚の肝臓から抽出されたアミノ酸、クロレラ、スピルリナ、牡蠣エキス、食用蟻製剤などがお勧めです。

● 血行をよくする

肝臓が十分に働くためには、肝臓が流れる血液の量が十分である必要があります。特に食後には、食べ物をエネルギーに変えるため、さらに多くの血液が必要。起きているときより横になっている状態のほうが、血流量が三○パーセント以上増えると分かっています。食後は横になって休み、血流量を増やして、肝臓の負担を避けるほうがいいでしょう。肝臓は体内の血液の一〇パーセント以上を蓄えている、いわゆる「血液の貯蔵庫」であり、中医学では「肝は血は蔵す」と表現しています。

血液は、たんぱく質と“みどりのもの”と鉄分によって作られるので、あわせて緑黄色野菜も積極的にとりましょう。中国医学では、肝は青と関係が深く、緑は青のグループに入ります。このことからも、青緑の食べ物は、肝臓に必要なのです。肝臓では、有害物質や薬物を各種の酵素によって解毒しますが、このとき、活性酸素が過剰に発生することもあります。血行をよくすることは、活性酸素の除去につながり、日ごろから血行を改善しておくことが、ますます大事になるのです。特に四十歳を過ぎてからは肝臓の働きが低下。ビタミンE・C・B12・β−カロチン、大豆や赤ワインに含まれるポリフェノール、EPAやDHAを多く含んでいる青背の魚、そして先にもあげた緑黄色野菜をとり入れましょう。

漢方薬では、中国から輸入された丹参製剤、田七人参などがあります。中国で慢性肝炎や肝臓がんの治療薬として有名な片仔廣は、田七を主成分としたものです。この処方に似た食品が日本に輸入されていますので、おクスリ屋さんにお尋ねください。

● 抗ウイルス作用の生薬を

中国で、かつてA型ウイルス肝炎が流行したとき、国をあげて板藍根という生薬を煎じて国民に服用させ、被害を最小限に食い止めたといいます。これは、他のタイプにも応用できるということ。試してみるとよいでしょう。

(月刊 『 寿 』 2002年7月号掲載)


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