生活習慣病予防のための年末年始の食事と運動と薬の保管の工夫

年末年始は、忘年会や新年会、帰省や家族旅行など普段の生活リズムが乱れたり、外食の機会が多くなったりするものです。上手に血糖コントロールするコツを知って、楽しいお正月を迎えましょう。

1 食事のコツ
宴会やおせち料理など、普段と違う食生活が続く機会が多いこの時期、血糖の変動が大きくなりがちです。一般的に外食は、食事の総エネルギー量がわかりにくいことが多い。全体の量が多すぎても、もったいなくて残しにくい。また、ご飯類や油が多く野菜が不足しがちで栄養バランスが悪く、味付けが濃い。といった問題があります。そこで、自分に適したエネルギー量と栄養バランスを考えて食べるために、メニューの選び方や残し方、食べる順番を考えてみましょう

 

 

居酒屋では・・・
宴会料理ではアルコールと一緒に料理を食べるので、どうしても摂取エネルギーが多くなってしまいがちです。そこで、食べる順番と残し方の工夫をしましょう。
@ 前菜、野菜料理、酢の物を先に食べるようにしましょう。血糖値の急激な上昇を抑え、満腹感を得やすくなります。
A 肉や魚料理は脂肪の少ないものを!例えば、刺身は鮪のトロより赤身や白身魚を、肉はロースよりヒレやささみを選ぶようにします。動脈硬化防止に鯖、秋刀魚、鰯などEPAやDHAを多く含むものもいいですね。
B てんぷらなどの揚げ物は揚げ衣をはずして食べます。こうすると、油の摂取を少なくしてエネルギーも抑えることができます。
C 食物繊維を多く含むモズク酢、海藻サラダ、納豆和え、きのこ料理、豆腐料理といったメニューにするのも、ヘルシーでバランスがよい食事になります。

洋食コース料理では・・・
洋食フルコースを食べるとき、シェフが腕をふるったおいしいソースには、バターや生クリームがたっぷり使われていることが多いのです。そんなフルコースディナーを全部食べると、約1200Kcal程度あります。次のような工夫でカロリーダウンをしましょう。
@ サラダにはドレッシング(1回分の摂取エネルギーを裏面に紹介)をかけず、パンは半分にして、バターを塗らないようにします。
A 肉や魚のメインディッシュは半分残し、ソースを控えましょう。
B デザートのアイスクリームやケーキなどは残すか、果物程度にします。
C 女性向けに人気のあるハーフコースを選ぶのもよいでしょう。
        (参考文献 糖尿病ケア vol.1(4)2004 メディカ出版より) 

中華料理では・・・
魚介類や野菜が多く調理法もバラエティに富んでいて、薬膳料理などもあり健康的な料理のように見えますが、油を使った料理が多くあります。特に、揚げ物や炒め物にはラードが使われていることも多く、動物性油脂の摂りすぎに注意が必要です。そこでメニューの選び方や食事の残し方に気を付けるようにしましょう。
@ エビチリソース、八宝菜、白身魚の野菜あんかけ、麻婆豆腐など比較的油が控えめのメニューを選ぶようにしましょう。
A スープ類、前菜、蒸し物は1人前を食べても、揚げ物、麺類、炒飯などは半分位残すように心がけましょう。

年末年始の特別料理では・・・
@ 鍋料理は、肉や魚介類、練り製品、豆腐の食べ過ぎに注意!!野菜を多めに、ご飯類(うどん、餅、はるさめ、くずきりも入ります)は必ずとるようにして下さい。また、油を使わないと消化吸収が早く、低血糖を起こすことがあるので、ごまダレなどを利用してみましょう。
A おせち料理は、保存性が高い料理なので砂糖や醤油など調味料の量が多くなります。例えば、黒豆は豆1kgに対して砂糖を500g程度使って料理します。そのため、たくさん食べると血糖値が上がってしまいます。食べる量は7粒くらいにしましょう。おせち料理を作る際に、マービーのような低甘味料を上手に使うと、砂糖の使用量を抑えることができます。また、豆を松葉に刺して飾る、竹の器を使うなど盛り付けの工夫で、お正月気分をあじわいましょう。
B 餅は、ご飯に比べ食べ過ぎてしまうことが多いものです。市販の切り餅2枚で約3単位になります。お雑煮や焼き餅の量に気を付けましょう。
C クリスマスケーキは、1度だけなら良いでしょう。少し小さめにすることも、お忘れなく。一緒に頂く紅茶やコーヒーは砂糖抜きか、ラカントやマービーの低甘味料を使いましょう。1度だけと思って食べたケーキが引き金になって、翌日から甘いお菓子のとりこにならないように、くれぐれもご注意下さい。マービーで手作りケーキを作ると低カロリーで安心です。
D 年越しそばも大晦日に欠かせない料理です。ざるそばやかけそばは、1人前約300Kcalになります。そばだけでは、血糖が早く上がり、また早く下がってしまいます。茨城の郷土食である「けんちんそば」は、たんぱく質や野菜が上手に取れるメニューといえますね。

楽しい会食にお酒はつき物ですが、お酒を選ぶときには、自分のペースを守れるようにしましょう。
そして、会話に花を咲かせ、時間をかけゆっくり食べて、楽しいひと時をお過ごし下さい。

 

2 年末・年始・寒い日の運動のコツ

年末年始は、食事だけでなく運動のリズムも乱れることが多くなりがちです。「宴会が続き食べ過ぎている上に、運動の時間が取れない。」とか、逆に「大掃除や買い物で普段より活動量が増えた。」などということがあるでしょう。それぞれにあった対応で、血糖コントロールと運動習慣を続けましょう。

@ 食べ過ぎてしまった分を運動で消費しようとするのは、容易ではありません。
例えば、ショートケーキ1個分(約300Kcal)を散歩で消費しようとすると、80分位歩かなければなりません。食べ過ぎに注意して、運動をすることが大切です。

A 寒さや帰省などの生活環境の変化で、思うように運動の時間が取れない場合は?
そのような場合には、自宅でできる筋肉トレーニングがおすすめです。紅白歌合戦を見ながらフローラ薬局の「ミニボールトレーニング」で筋力アップしてはいかがでしょう。

B 筋力トレーニングを行う時には、呼吸を止めないよう注意しましょう。
力を入れた時に息をこらえると血圧が上昇します。運動時にはしっかりと「吐く」「吸う」を意識しましょう。

C 寒い日の屋外運動では、保温に努めましょう。
身体は急に寒さにさらされると、急激に血管が収縮し血圧が上昇する事があります。保温性のよいウェアの上に防寒着などを重ね着するようにして、体温の上昇とともに着衣を減らして体温調節しましょう。

3 インスリン製剤の保管や持ち運び時の注意点

年末年始は、出かける機会が多いので、薬の携帯も忘れないようにしましょう。特にインスリンは、デリケートなので、保管や持ち運び時には、いくつか注意していただきたい点があります。

@ 温度に注意する
未使用のインスリンの適正な保管温度は、2〜8℃です。薬局から持ち帰ったら冷蔵庫(扉の卵入れ付近)で保管しましょう。使用中のインスリンは、室温で大丈夫ですが、夏の車内では50℃以上になることがあり、寒冷地での車内や飛行機の荷物室は凍ることがあるので、放置しないで下さい。

A 凍結を避ける
冷蔵庫の吹き出し口付近では、凍ることがあります。一度凍ったインスリン製剤は品質が変化しているので、解凍しても薬の効き目が正しく現れません。製剤がひび割れたり、ゴム栓がふくらんだり、小豆粒大の気泡が生じることもあります。そのようなものは凍った可能性があるので注意してください。

B キャップをして遮光する
インスリン製剤は光に弱いので、遮光保存のために、使用後はペン型インスリンのキャップをしましょう。

C 保管時は注射針を外す、使用前は空打ちで空気を抜く
注射針を付けたままにしておくと、空気が混入して使用時に正確な量を注射できないことがあります。

D 注射器に衝撃を与えない
インスリン製剤は、ガラス製なので落としたりすると割れてしまう可能性があります。ケースに入れて持ち運べば、破損を防ぐことができますので、薬局でインスリン注射用ペンケースやインスリン製剤持ち運びケースを差し上げています。ご希望の方は、ご連絡ください。

E 外出や旅行で持ち運ぶ際の注意点
 外出中のインスリン製剤は、飛行機に乗る際も、バッグの内側などにケースに入れて持ち運ぶと、極端な温度の上昇や低下がないので、インスリンの品質の低下や破損を防ぐことができます。

(参考文献 朝倉俊成:プラクティス,21(5),490-493,2004)

宴会で気になるアルコールのエネルギー量とドレッシング・マヨネーズのエネルギー量・塩分について調べてみました。
ドレッシング類は、意外とカロリーが高いのですが、最近では低いものも販売されています。 これを参考に、カロリーや食塩の摂り過ぎに注意しましょう。







お薬やお食事のことについてご質問があるときは、
お気軽にフローラ薬局の薬剤師・栄養士までお尋ねください。

 発行責任者・監修   管理薬剤師 篠原久仁子
編集スタッフ       管理栄養士  栗原惠子 
健康運動指導士 佐藤 日佐子


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