東洋医学の知恵

東洋医学の知恵

第1回 新年からの養生法

穀物をしっかり食べて健やかに

まず胃腸強化を心がけ、タイプ別の漢方薬を

新しい年を迎えて、いかがお過ごしでしょうか?昨年は暗い話題ばかりが目立ち、世界中に元気が感じられませんでしたね。ただ、中国漢方には、「陰極まれば、陽を生ず」との考え方があります。つまり、「悪い状態は長くは続かない」というわけで、今年こそ回復して欲しいものです。
私たち1人ひとりもまた元気でいきたいもの。まずは、体内に必要な元気を溜めることです。そのために、今日から試していただきたいことが。例えば、穀物をしっかりとることもその一つです。早速、1年を元気で過ごす養生法をご紹介していきます。

中国漢方の考えでは、生命を維持し、機能を高める物質が気です。気は、@親から受け継いだ先天の気としてのパワー、A食べ物、B呼吸から得た後天の気としての酸素、以上で作られます。この3つがしっかりしていれば、元気な人といえるのです。そこで、今年1年を大過なく健やかに過ごすためのポイントを、ご紹介していきましょう。

【消化管を丈夫にする食べものを】

■まず穀物をしっかりとること

先天の気に関しては、変えようがありませんから、食べもので元気を養う方法からみていきます。からだは、食べものによって維持されているわけですから、まず消化器官を丈夫にさせる食品がいいですね。これは、中国漢方でいうところの、補気健脾作用のあるものとなります。気を補い、脾を健やかにするものというわけです。さまざまにありますので、ここでは甘味に関して、お話ししていきましょう。甘味には、からだの疲れや衰えに対処できる滋養の作用があるからです。実際、からだが疲れたとき、甘いものを欲した経験は、どなたにもあるのでは?
では、具体的にはどのようなものがいいかといえば、粟、米、麦となります。まずは穀物を毎日、しっかりとってください。トウモロコシや豆、山芋もお勧めできます。実は、穀物を十分に食べている方は、疲労時に、それほど甘いものを欲しがりません。仕事疲れなどからケーキやチョコレートを食す人は、穀物からのエネルギー摂取が少ないのです。主食のご飯の摂取量が少ない人ほど、疲れやすく、甘いものを多くとりがちといえるでしょう。周囲を観察してみて下さい。ご理解頂けるはずです。もちろん、主食のとり過ぎは問題ですが、それより問題なのは、甘いもののとり過ぎによる肥満。いくら滋養作用があるからといって、単純に甘いものをとればいいというわけではないのです。ですから、食事全体の6割は穀物、野菜・果物3割、肉類1割が歯の構成からもいいと考えられているのです。

■甘味には薬用人参・西洋人参

では、穀物が十分であるにもかかわらず、甘味を欲した場合、何がいいでしょうか。薬用人参となります。中国では昔から、特に寒い冬は、からだを温めてくれ元気にもなれるので、よく利用してきました。ただし、地球温暖化や空調機器の充実、また食べものの環境が変化したことから、昨今では逆に、からだの温かい方が増加を。
そこで今は、西洋人参を利用するケースも多くなってきました。現代のように、頭脳労働が増えると、頭を冷やしてくれて、しかも元気の源ともなる西洋人参は、仕事の効率も上がり、重宝するはずです。受験勉強で疲れた時にもいいでしょう。
余談ですが、無事、志望学部に進む事ができた、私の子どももとっていました。「頭がスッキリして、よかった」といっていましたね。そもそも、私自身、原稿執筆で疲れた時に、利用しています。
ただし、注意が。薬用人参・西洋人参。いずれかの人参をとっているときは、大根は一緒にとらないでください。大根は、肉や餅を食す時ですと、消化を助けてくれていいのですが、人参と一緒ですと、その補気作用をうばってしまうからです。もしとる場合は、時間をずらせばいいでしょう。なお、野菜の人参は特に問題ありません。

■ナツメ1日5個で美人に?

他に疲労時にいいものとしては、ナツメもあります。甘味もあり、からだを温めてくれて、元気にもなれるはずです。胃腸を丈夫にもしてくれます。不眠が続き、精神が不安定な時にも、どうぞ。
中国では、1日5個となると、「美人になる」「年をとらなくなる」などのいい伝えもあるほどです。乾燥させたものを食したり、小麦や甘草と一緒に、お茶として飲むのもいいですね。

■ジャスミンティーでリラックス

ストレスなどで、落ち込んでいるときには、ジャスミンティーを。日本では、たえず笑顔が要求され、メールにはすぐ返信を出さなければいけないなど、いつも緊張状態にあります。ぜひ、リラックスタイムを、ジャスミンティーでどうぞ。
気の巡りがよくなり、うつ傾向からの脱出をサポートしてくれることでしょう。そして、胃にもいいのです。

【脾胃を元気にする漢方薬を】

さて、食養生を守っていて、それでもなお、症状があるときには、ふさわしい漢方薬を使用してください。以下、大切なことをご紹介していきましょう。

■がまんする女性向け漢方薬

さて、今年こそストレスなく、元気にいきたいものですが、そこでお勧めしたいのが、逍遥散。がまんにがまんを重ね、ストレスの多い、今の日本女性にふさわしい漢方薬です。のぼせがある方には、加味逍遥散がいいでしょう。

■胃腸を強化するタイプ別漢方薬

日本人は相変わらず、養生下手なのか、胃腸の弱い方が多いですね。中国漢方では、胃腸のことを、脾胃と呼んでいますが、やはり生活の質を高める為にも、強化してください。「脾胃は、気血生化の源」ともいわれ、元気のもとの臓器なのです。
以下、タイプ別に漢方薬を挙げていきましょう。疲れやすく、胃下垂の方は、補中益気湯を。食欲があまりない方は、六君子湯。慢性の下痢の方は、参苓白朮散。目の疲れ、肌荒れ、貧血、めまいがある方は、十全大捕湯。階段の昇降やカラオケなどで、すぐ息切れする方は、生脈散を。かぜの病み上がりにも用います。

年をとり、疲れやすい方は、腎の強化が基本となります。腎もまた、老化と共に働きが低下するため、疲れやすくなってしまうのです。漢方薬に関しては、タイプ別に使い分けます。まず、冷えタイプ。排尿のトラブルもあるようでしたら、からだを温め、元気を補う八味丸、海馬補腎丸、参馬補腎丸を。逆に、ほてりや寝汗がみられるタイプでしたら、熱を冷ますようにします。目のトラブルもあれば、杞菊地黄丸、呼吸器系のトラブルや花粉症もあれば、八仙丸など。牛黄の製剤もいいでしょう。いずれにせよ、気軽に店頭でご相談下さい。

 

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