「不妊症と中国漢方」59
[西洋医学と中国漢方] その2

西洋医学のめざましい発達により不妊治療も効果を上げてきました。その一方で、排卵誘発剤やホルモン剤などの使用で体のバランスを崩し、うまくいかない場合もあります。漢方薬を飲んでみたいという方の多くは、そんな方たちです。私はよく質問を受けます。不妊治療は西洋医学と中国漢方のどちらが効果的ですかと。これは難しい質問です。というのも、それぞれに長所があり、役割が違うからです。そのため私は、西洋医学と中国漢方のいいとこどりをしませんかと話しています。例えば、排卵誘発剤のクロミフェン(製品名/クロミッド、フェミロン、セロフェンなど)は、抗エストロゲン(卵胞ホルモン)作用により性腺刺激ホルモンの分泌を増やし排卵を誘発します。しかし、子宮内部では卵胞ホルモンが不足するために頚管粘液の分泌が減少したり子宮内膜が厚くならないことがあります。中国では、体のバランスを整えてマイナス面をなくすために漢方薬を取り入れました。中国漢方では、人体を陰と陽で対比し、ものの基礎物質となるものは陰、それを発展させるものは陽と考え、月経周期は陰陽の変化により進行するとしています。月経期から陰が増え始め、卵胞期にはさらに増加(陰長)、排卵前にピーク(重陰)を迎え、排卵期には陽に変化し、黄体期は陽が中心となります。このことから、卵胞ホルモンは陰、黄体ホルモンは陽に属すことがわかります。よって、頚管粘液減少、月経量減少、子宮内膜が厚くならないのは、卵胞ホルモン不足、つまり「陰不足」。「滋陰養血」という考えに基づいた治療がポイント。成功への近道と言えます。


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