「不妊症と中国漢方」56
[流産予防について] その4

中国漢方では、流産の予防には次の3点が重要と考えています。@腎の機能を高める。A気のめぐりをよくする。B血のめぐりをよくする。前号までは@Aについて説明しましたが、今回は最後の「血のめぐりをよくする」についてです。女性は、「血をもって本とす」というように、血とは切っても切れない関係にあります。いい例が月経です。中国漢方では、血は体内にある赤い液体で、栄養と滋潤の働きのあるものと定義しています。新鮮で豊富な血液が体内の隅々にめぐっていれば、人間の体は健康体でいられます。妊娠後も常に、血のことを意識する必要があるのは、子宮内の受精卵や胎児に充分な栄養を運ぶのが血の役割だからです。何ら自覚もなく受精卵の成長や胎児の発育が止まってしまうのは、血が充分に行きわたらず栄養が不足したからと考えられます。稽留流産を経験された方は、その例です。血に有効な生薬の代表的なものは、当帰を中心とした処方。新しい血を増やし、巡らせ、体の隅々にまで栄養を送ります。体が潤うことで肌がきれいになり、便通も良くなります。不妊治療を受けているすべての人が化粧ののりが良くなったり、下剤なしで便通が良くなるのも当帰の働き。不眠気味の人が良く眠れるようになるのも血のめぐりが良くなるからです。抗リン脂質抗体(+)など免疫異常によって起こる習慣性流産は、血行が悪くなって血液の質が低下しているお血の状態と考えられます。お血を改善する治療は妊娠前に行います。妊娠中に治療すると流産しやすい場合があるからです。


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